第一回 月ヶ瀬梅林
淀陽司法書士事務所は、淀川の河口から8㎞程の大阪市域のほぼ真ん中の北岸にありますが、せっかく淀川にちなんで事務所の名前を付けましたので、淀川の上り下りの風景をかいつまんでブログにしたいと思います。
淀川水系を検索しますと、なんと淀川は日本で一番支流の流れ込む河川の数が多い大河でした。かの利根川や信濃川よりも多いようです。有名な三支流といえば近畿の方はご存知の桂川/宇治川(瀬田川)/木津川となりますが、この三川が京都府と大阪府の府ざかい近辺で合流して淀川となり大阪湾に流れ込みます。それぞれの三川が数々の支流を集めるわけで流域は近畿中央部をカバーする広域になります。 よく滋賀県民が京阪の人に言う ″琵琶湖の水止めるでぇ~”と言うのもまんざら冗談でなく止められれば京阪の人々の生活は干上がる事でしょう。ですから、淀川を上るといってもいろんな河川があり、今回は名張川の月ヶ瀬梅林に行ってきました。ここの水もやがて流れてウチの事務所の前の淀の水となると思えば親近感がわきます。
なぜ月ケ瀬梅林かと申しますと、最近読んだ中国の詩人林逋(北宋の人)の「山園小梅」という七言律詩に 霜禽は下らんと欲して先ず眼を偸み 粉蝶の如し(もし)知らば合に(まさに)魂を断つべし
という一節があり、冬の日の霜をしのいで飛ぶ鳥は、梅の枝に舞い降りる先に、そっと偸むような流し眼で梅の花を見ずにはいられない。季節が早いので紋白蝶はまだ飛んでいないけれども、もしこの梅の美しさを知ったなら、きっと魂も断えなんばかりの慕わしい思いを抱くことだろう。(出典 奇人と異才の中国史 井波律子著 岩波新書)とあって、何となく梅の名所に行きたいという事でした。
3月8日(土)薄曇りの中JRの北新地駅 8:04発の東西線/学研都市線 木津行きの列車に乗り出発、途中木津駅・加茂駅で乗り継いで10:02分にJRの月ヶ瀬口駅に着きました。ハイキングを楽しむ年輩のグループも同駅を降りてバスで月ケ瀬に向かいます、私は月ケ瀬梅林まで約7㎞を歩いていきます。駅を出てすぐ伊賀上野方面から流れてくる柘植川の鉄橋を渡ります、すでに深山幽谷というか山峡の雰囲気充分で川の流れも急です。一時間ほど歩いた南山城町の田山地区の廃校を利用したCafeねこぱんというところで少し早めの腹ごしらえをして(古い木造校舎の教室内でランチが食べられます)12時頃再出発。
12時40分頃梅林に到着しました。結論から言いますと、まだ咲いてなくて蕾のままの木々で少し残念、今年の梅の開花はかなり遅いようで一分咲き程度、それでも枝先の蕾がほんのり赤みを帯びて木々がほんわか赤らむ様子は何故か春を告げる高鳴りを感じました。
月ケ瀬梅渓は、もう見事というしかない景勝地で、景勝地という言葉は此処のためにあるといっても過言ではない絶景で、茶屋のおばさんによると″今はまだ枯れ木のようだが、梅の花が一斉に咲くとそれはすばらしい″と言っていました。私は今日でも一望八景の美しさに感嘆したのに、梅が咲いた時はまさに紋白蝶ではありませんが卒倒するのではないかと思います。帰りはJRの奈良駅までバスで戻りました。 ㊟奈良方面のバスは15:21(土日祝日)が最終になっています